Departure ー 【BE BALD!】連続アラサーハゲ男小説 序章 二話
もくじ
前回のあらすじ
中堅商社に勤めるアラサーハゲ男。
高校同期からの同窓会の報せに、
「ハゲてきてるから行くのいやだなぁ」
という気持ちもありながら出席を決意した。
当日、朝。
気づけば同窓会当日となっていた。
自宅から伏見(東京でいう人形町)への通勤と、趣味の納屋橋(新宿でいうゴールデン街)飲み歩き以外に行動範囲がなかった自分が久しぶりに久屋大通(東京でいう表参道)へと向かう。
それだけで緊張するが、今日は高校時代のクラスメイトとの同窓会。
久しぶりに呑まずに帰ったため寝覚めはいい。
ベッドで軽くあくびをしながら鏡の前に向かう。
やはり、物足りなかった。
アマゾンというよりはサバンナのそれに近い茂り具合の頭髪を見て、今度はため息をつく。
おもむろにヘアジェルを取り出し、髪に塗りたくる。
決まらない。
最近、出勤時はスタイリング材を使わないことが多かった。
取引先と会うことはコロナ禍ということもありあまりなかったし、男性比率が圧倒的に高い社内で身だしなみに気を遣うモチベーションはあまりなかった。
焦りながら、
付けては洗い流すを繰り返しながら、
なんとかヘアスタイルを固めた。
いよいよ出発
慣れないヘアセットをなんとか終え、タンスから適当な服を取り出して身に着ける。
そういえば、私服のおしゃれなど全く気にせず日々を過ごしていたが、髪型の前にこのファッションはいかがなものなのか。。。
気にするも、開場の時間は迫っており、どうすることもできない。
諦めて玄関へ向かうアラサーハゲ男に、とあるアイテムが目に留まった。
帽子。
そうだ。髪が決まらないし、ハゲが気になるなら帽子をかぶればいい。
世紀の大発見でもしたかのように誇らしげに帽子をかぶると、
ドアにカギをかけ駅へと急いだ。
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